1964年の日本でのスポーツ大会をきっかけに広がっていったと言われているピクトグラム。
名前を聞きなれない方も多いかもしれませんが実は誰もが必ずと言っても良いほど、日常生活でピクトグラムを目にしているのです!
例えば、緑色に点灯している非常口の逃げようとしている人のイラストが一番分かりやすいと思います。
ピクトグラムを言葉で表すと、イラスト文字という名の記号(以下:イラスト文字)という所でしょうか。
今ではピクトグラムをフリー提供してくれている所もあり、私たちでも気軽に使えるのですが(ありがたいですね!)、「ちょっとイメージと合わない」「○○のピクトグラムが無い」等、こちらの条件と合わない場合も…ないとは言えません。
そういう時はピクトグラムの作成にチャレンジしてみてはいかがでしょう!自分で作成することで、イメージに寄りやすくなったり、愛着も湧くかもしれませんしね。
では、ピクトグラムを自分で作成するときはどうすれば良いのか、私の見解ですが作成するときのポイントを書いていきたいと思います!
*。゜・。ここでは全部を理解せずとも、デザイナーでなくとも
何となく分かるをベースに書いております。・。゜*
-目次-
point1.誰にでもわかる表現
国籍問わず老若男女、年齢関係なしに、ピクトグラムは誰が見ても理解できる表現が求められます。
そもそもイラスト文字であるため、自立した指示表示が出来ることが使命とされているといっても過言ではございません。
「じゃあ、どんなものが誰にでもわかるの??」
「そうですね。例えば物であれば、必要性が無い限り最新の表現を省くのも効果的です。新しいものをすべての人が知っているとは限りませし、場合によっては認知率が低い可能性があるかもしれないです。」
「なるほど…」
さっそくですが、下記のピクトグラムをご覧ください。
Aは、家電よりもスマートフォンを使用する時代と考えれば間違ってないと思います。
ですが電話のイラスト文字として考えた時に、近しいものにタブレットなどもあるため少々表現に難しさを感じてしまいます。
今回、ボタンのないスマートフォンであるのも後押しし、イラストにしたときに分かり辛い印象を覚えてしまいます。
Bは、いまや見る機会は少ないと思われますが、電話と言われたときに頭によぎる人は割といるのではないでしょうか。
また、近しい形もないため“この形=電話”と認識しやすいと考えます。また機能が電話しか無いことが後押しし電話という印象が残りやすいのかもしれません。
また、イラスト文字をシルエットにしてみた際に、認識しやすいかどうかも大事なポイントだと考えています!
point2.形状のシンプル化
ピクトグラムが何を指しているかを瞬時に認識しやすいものは?と考えた時、描かれているイラスト文字の情報量が少なくシンプルなものが効果的です。
手描き等のイラストとは違い、描きこめば描きこむほど伝わり辛くなる可能性があがってしまいます。
■例:ショッピングビル等に入っているカフェの表示
デパート内には様々なお店が入っており、カフェでは、紅茶もコーヒーもお茶等々も飲めるお店が多く(専門店の場合もありますが)、今回「ショッピングビルに入っているカフェ」という表題もあるため、シンプルに「カップから飲み物が飲める」事を連想させることで十分成り立つと考えます。
Bに対しAは考えさせてしまう要素が入ってしまっております。
イラストに情報量が多いと捉え方に差異ができてしまうこともあったり、たいした時間ではなくても考えさせてしまったりする可能性も無きにしも非ずです。
また、遠目で見た時に情報量が多いと、ごちゃごちゃとしやすく場合によっては近くで見ても認識し辛いことも考えられます。
■AとBのピクトグラムをそれぞれ遠目と近くであてこんでみたら…
情報を正確に伝えるために、伝わる最小限の表現に留めつつ、考えさせてしまう部分は削ぎ落して形状がシンプルになる様、心掛けることが大切です。
コンセプトによってはピクトグラムにオシャレ、遊び心を入れる場合もありますが、基本的には指示に値するので「伝える」ことに念頭に置いて作成する必要がありますね。
point3.メリハリ
ピクトグラムはイラストの部分と背景(地の色)の部分を明度差のある2色で構成されています。
そのためメリハリがつき基本的にはある一定の距離や、瞬時の認識がしやすくなっていると考えられます。
さいごに
ピクトグラムを簡単にまとめると、
・イラスト文字という名の記号
・シンプルかつ明確な形状が求められる
・遠目(常識の範囲)からの視認性が良い
・地の色とイラスト文字部分を明度差のある2色で構成することでメリハリ良く
・瞬時の解読が可能
・言語を超えた伝達方法
場所によってさまざまな表現のイラスト文字がありますが、共通して言えるのはそれがなんであるかしっかりと分かるということです。
簡潔に表現することは簡単に思えて実は難しいところがあります。
もしピクトグラムを見かけたらちょっとながめてみてください。伝えるための工夫や最小限の表現が見えてくると思います!
次回もデザイナーでなくとも何となく分かるをベースにお伝えしていければと思います。それでは、またお会いしましょう!
wrote:スガ