【公共サインのユーザビリティ】信号機のない横断歩道で車が一時停止する方法

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こんにちは!
今回のテーマは「【公共サインのユーザビリティ】信号機のない横断歩道で車が一時停止する方法」です。
信号機のない横断歩道で自動車やバイクや自転車などの車両(以下、車)がちゃんと一時停止する方法について、ユーザビリティの観点から考えてみました。

信号機のない横断歩道を渡ろうとした時、なかなか車が途切れず渡れない…と困った経験をした方も多いのではないのでしょうか。
非常によくある光景ですが、これは車(の運転手)が間違っているんです。

そもそも、信号機のない横断歩道で歩行者や自転車が横断しようとしている場合、自動車やバイクや自転車などの車両は一時停止をして歩行者や自転車の通行を妨げてはいけないと言う法律があります。
日本自動車連盟(JAF)がこの実態を把握すべく、2018年に調査を行ったところ、全国でこの法律を守っている運転手は8.6%しかいないと言う驚きの結果が出ました。
<参考:日本自動車連盟(JAF)>

そこで、約9割の運転手がルールを守れていないと言うことは、運転手の知識やモラル以外にも何か原因があるのでは?と仮定し、なぜルールが守れないのか、この問題を解決できるように考えていきたいと思います。


信号機のない横断歩道を改めて見てみる

信号機のない横断歩道が、現状どのようなユーザビリティになっているか見てみましょう。
車側から見た時はこのようになっているのが一般的です。

横断歩道がある事を示す青い三角形の道路標識と、車道に連続した白いラインなど道路標示が描かれているのが一般的です。
ユーザビリティのポイントとしては、この「道路標識」と「道路標示」の2つが挙げられます。

一度、2つのポイントの基礎を整理したいと思います。

まず道路標識に関してですが、こちらは種類が4つあります。
「大人が1人描いてある物」「小さい子供が2人描いてある物」「自転車が描いてある物」「人と自転車が描いてある物」です。

どれも標識の位置に「横断歩道(または自転車横断帯)がある」ことを意味しています。
この標識がある場所は歩行者(または自転車)優先です。
子供が描いてある道路標識は幼稚園や小学校の周辺で子供が多く通る道に設置されているので、子供の飛び出しなど不規則な動きに一層注意したい所でもあります。

また道路標示に関しては、「歩行者が横断する白いライン」の他に、「車の停止線」「前方に横断歩道があるので減速を促す為のひし形のマーク」がある場合もあります。

ざっくりこんな感じで整理が出来たところで、次はそれぞれの問題点を洗い出していきたいと思います。


【問題点の洗い出し】

信号機のない横断歩道のユーザビリティ「道路標識」と「道路標示」には共通の問題があります。
それは、「一見しただけでは何を意味しているか分かり辛い」と言う点です。
横断歩道を全否定したい訳ではなく、より良いユーザビリティに繋がる可能性が秘められていると私は考えています。

例えば道路交通法の知識が1ミリもない人が車を運転した時、信号機のない横断歩道で連続した白いラインだけ見ても止まる事は出来ないと思います。
ありえない例えではありますが、このような観点から問題点を洗い出すと下記のようになりました。

「道路標識」の問題点

■ 絵が何を意味するのか分かり辛い。
■ 文字の情報が一切ない。
■ 色

「道路標示」の問題点

■ 文字の情報が一切ない。
■ 歩行者が渡りたいのか判断し辛い場合がある。


良いユーザビリティとは

ここで一旦、そもそも良いユーザビリティとはどのようなものなのか思い出してみます。
簡単に言ってしまうと、「分かりやすい」「簡単」「ストレスがない」と言った条件が満たされていると良いユーザビリティと言えます。

また一般的に、絵だけの情報より文字情報の方が理解されやすく、アクションを起こしやすいです。

横断歩道の良いユーザビリティとは「歩行者優先であることが分かりやすい」ことだと思います。
このような良いユーザビリティの観点を元に改善案を考えてみます。


【改善案】

「道路標識」の改善案


絵と文字で伝えます。
歩行者の絵の下に「優先」と書くことで、ぱっと見て歩行者が優先である事が分かりやすくなったのではないでしょうか。

補助標識を付けます。
絵の見易さをそのままに、文字の情報でしっかり意味を伝えることが出来ます。
ただこの場合、標識が複数ある場所だと見辛くなる可能性もあります。

警戒標識にします。
現在の横断歩道の標識は「指示標識」と言う物に分類されます。これは特定の交通方法を禁止したり指定する時に使われます。
「警戒標識」は危険な状態を予告し、注意して運転することを促す標識です。指示標識より強い警戒を促す事が出来ますので、車側が注意しやすくなります。

文字で伝えます。
文字だけにすることで歩行者優先であることが即座に分かりますね。


「道路標示」の改善案


歩行者優先と書きます。
シンプルですが分かりやすいですね。車に前方の横断歩道が歩行者優先であることを伝えられます。
道路標識と併用することでより分かりやすくなります。


横断歩道手前での一時停止を義務化します。
実現すれば一番確実で安全な方法ですが、交通量の多い道路では渋滞の原因にもなってしまいます。


おわりに

いかがでしたでしょうか?
ユーザビリティを少し変えるだけでも、歩行者優先であることが分かりやすくなりました。
そもそも車の運転手が道路交通法を守らなければいけないのですが、タイミングの問題でやむを得ず…と言う場合も多いかと思います。
マナーではなくルールであることを明示する、ユーザビリティを改善する事で、気付きのタイミングが増えたり認知度が改善する可能性があります。

実際に横断歩道のユーザビリティを改善する取り組みをしている国や地域もあります。

インドやアイスランドなどの海外では、「3D横断歩道」と言う横断歩道が導入されています。
トリックアートの原理で出来ており、遠くから見ると横断歩道が立体的に浮き出て見え、近付くと平面の横断歩道であることが分かる仕組みになっています。

細長い塊がいくつも並んで道を塞いでいるように見えるので、運転手が堪らずブレーキを踏んでしまうようなユーザビリティになっていてとても効果的です。
日本も静岡県や大阪府の一部地域で「3D横断歩道」が導入されているようです。

ぜひこれからも、注意を怠らずに安全で楽しい運転ライフをお過ごしください!
それではまた!デジマースのコンでした。

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