ロゴのアイデア!には非常に悩みますが、まずはロゴの構成を理解し、
Illustrator(イラレ)を使用したロゴ(ロゴタイプ+シンボルマーク)の作り方について説明します。
「ロゴ」は広義なことばで、「ロゴタイプ」と「シンボルマーク」を内包します。
日本語ロゴ作成のサンプルとしてまず『ロゴタイプ』を作成し、『シンボルマーク』と組み合わせてロゴデザインをしていきます。
※「ロゴマーク」という言葉は和製英語ですので使用に気を付けましょう
ロゴとは
『ロゴ』とは、「サービス/商品」の名称/文字をビジュアル化し、ブランドの顔としてつかったデザインされた画像です。
デザインする場合は主に、イラレ(Illustrator)で作成しますが、ゲームやアニメのタイトルロゴの用途の場合は色数やグラデーションを多く使うなど、構成が複雑化する場合が多く、その場合はPhotoShopや3DCGソフトなどで制作作成する必要性があります。
主な用途
・企業ロゴ
・製品ロゴ
・サービスロゴ
身近な用途
・TV番組のタイトルロゴ
・ゲーム機のロゴ
・ゲームソフトのタイトルロゴ
・アニメのタイトルロゴ
どんな文言でもロゴ(意匠)として認識しやすい個性的なビジュアル/シルエットにすることが認知の目的を達成できますが、
近年は「雰囲気」を重視して、文字数が半端なく多い作品ロゴ(むしろタイトル画像と呼ぶべきですが)が増えており、
シルエットも似通っており差別化がなくなってきています。
流行/潮流後に残るかどうかはこの先になってみないと分かりませんが、雰囲気は和の文化も感じさせます。
商標登録するということ
『商標登録』とは、「名称」を他社が使用できない「唯一」のものとして商用利用する権利(「著作権」とは性質が違う)を登録、特許庁に認めてもらい使用することです。
ここで気付きますが、「既存フォント」を使用または要所を改変アレンジしてロゴとして使うことは、その時点でオリジナルではなく、「既存フォント」から派生した類似となり、そのまま『商標登録』を行ってしまうと著作権の侵害により金銭要求発生の可能性があります。
『商標登録』するロゴを「既存フォント」でつくる場合は、必ずフォント利用規約を確認してから著作権の持ち主に連絡、契約する必要があります。(そもそも権利を全て放棄した商標利用OKのフリーフォントを使用して「ブランドの顔」をつくることは適切ではありませんね)
ロゴタイプ向きなフォント形式
ロゴタイプは「英字」で作ると、シンプルにまとまり使いやすいですが、「和文(日本語)」は「英文」に比べてデザインをクールにしにくい傾向があります。
また、「明朝体」は視認性の問題からロゴタイプには向きません。
制限のアウトプット/雰囲気のアウトプット
1970年~2000年の昭和から平成の中では「制限」の環境化でアウトプットを考えなければいけない時代がありました。
「印刷表現」だけを考えていればよかったそれ以前の産業では「デジタル」での制限制約はなく、アナログ表現での限界のなかであれば、自由にデザインが出来ました、セリフのついた「セリフ体」や「明朝体」などの表現もその時代の象徴的なタイプ表現です。
古い印刷物に個性的雰囲気を感じるのもそういった完成された表現があってと感じます。
そしてデジタル黎明期1970年~2000年は、コンピュータの登場とともに解像度の少ない「SDディスプレイ」に文字を出力することになりますが、
その制限は唐突に8ドット×8ドットと、スマホ時代の現在の環境とは天地の差があり「フォント」を表現する事は出来ず「雰囲気」はグラフィックデザインから」なくなりました。(代わりに生まれたのは無垢なドットのレトログラフィック)
2000年はじめの、モバイル/携帯電話(フィーチャーフォン)では一時期進んでいた家庭用ゲーム機や据え置機器解像度の高解像度化(VGA640×480)は技術の制限によりQVGA (240x320)の解像度しかなく、漢字の正しい画数などの表現もままならず(「魔」などの文字も、部首「まだれ」中を「マ」にするなど;)「雰囲気」は二の次でした。
携帯電話にも高解像(VGA640×480)端末が登場してきますが、「下位互換」の制約はついて回り、高解像度端末も表面上物でしかなく、内部処理/基本アーキテクチャは低下移動度を踏まえる必要がありました。
制約がなくなり、「文字のデザイン」が行われるようななったのは2012年ごろから登場したスマートフォンからです。
私は昭和生まれのグラフィックデザイナーですので、デザインの根幹には、日本人が得意とされてきた制約の中でのデザインがあります。
常に制約を考慮して仕事をおこなってきましたが、
これからは、表現、雰囲気の時代です。
やれること、使える色、容量も増え、時間もかかりとても大変な時代になりましたが、
これから紹介するロゴ制作作成方法は、従来のシンプルな商標登録もできるやりかたです。
それでは、まずは「ロゴタイプ」をillustrator CCをつかい、画像中心に作り方を紹介していきます。
illustratorでのロゴタイプの作り方
文字の基本ガイドをつくりあたりとしガイドをロック、別レイヤーを上に作り、その上に「線」で文字のラフを大胆に置いていきます。
置き終わったら縦軸横軸のポイントを可能な限り揃えておくと統一感が出ます。
作った線の幅を太くしてロゴらしい存在感にします。
線を太くすることで高さがまたズレてしまうため、ガイドレイヤーを頼りに再度調整します。
調整に時間がかかる場合もありますが、この状態でシルエット自体は完成形に近くなりました。
文字のそれぞれに特徴的な形ががあり、縦長だったり、横長だったり、逆三角形だっだりとシルエットがありますので、文字の面積差が均等になるように、大きくしたり小さくしたり調節してみると文字のバランスが良くなります。
真四角は特に大きく見えるので小さく、丸型は小さく見えるので大きくするのが基本です。
それでは、先ほどの調整ルールで文字の大きさを整えてみます。
画像を見ていただくと分かりますが、今回は説明用に大げさに調整をおこなっていますので、実際作業される場合はもう少し抑えて調整してみて下さい。
「ザ」「イ」は説明する目的で縦長になってしまっています
※細かい調整なため細部を拡大(スマホはピンチイン)して確認ください
変更前後を比較すると、大きすぎた「ロ」「ゴ」「ン」が小さくなってます。
「ザ」「イ」下を他の文字と揃えてしまっても問題ありません。
※細かい調整なため細部を拡大(スマホはピンチイン)して確認ください
さらに「錯視」の資格調整を行っていきます。
変更前後で縦某の細さが緩和され、横棒と同程度の太さで見えるようになりました。
※錯視については個人差があります
それでは、素の状態と各調整を行った状態を比較してみます。
※しつこいようですが、「ザ」「イ」は下の棒の高さを他の文字と揃えてしまっても問題ありません;説明用にあえて長くしてます。
最終整えを行っていきます。
「濁点部分」は少々情報量が多いので小さくし、文字の本体の優先度をあげます。
「ザ」「イ」は下の棒を調整します。
次に、文字の角のエッジを少々丸くして仕上げていきます。
角を丸くすることで、尖り(バリ)がなくなり柔らかく優しいシルエットになります。
※高級家具の角もそういった加工がされており、危険性がなくなり触り心地も良くなります
それではベーシックな基本形が出来たので、バリエーションをつくってみます。
ワンポイントのアクセントカラー(挿し色)入れてロゴタイプ部分の完成です。
挿し色は色分布割合を少なくするようにします。
「ロゴタイプ」の横に「シンボル」を配置すれば「ロゴ」の完成です。
「ロゴタイプとロゴマークの違い」は良く検索されますが、このシンボルの意匠を含んだオブジェクト/シルエットになった状態がロゴ(ロゴマーク)の運用完成形です。
ロゴをみるひとは目線の行きやすいシンボルをキッカケにロゴタイプに視線をずらしロゴを認識すると思いますので、シンボルはキャッチーなビジュアルが望ましいのではないでしょうか。
以上でロゴ作りの説明を終わります。
さいごに
今回は比較的簡単な直線の組み合わせで文字デザインをしてロゴタイプを作りましたが、曲線を使う場合は「角度」や「長さ」「太さ」をルール化して統一化する決めの流れは今回と同じです。
今後、曲線や太さのルールが複雑なロゴタイプを組み合わせたロゴ作成を進め、作り方も追記していきます。
デジマースのネモトでした。
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