現在主流の4G通信回線の実行速度は、
15Mbps(15,000kbps)程度といわれています(規格上は150Mbps~225Mbps)。
※「bps」=バイト・パー・セカンド/1秒間に受け取れるデータ量
そんな中、利用者は、契約ギガバイト数を超過すると厳しい速度制限を受けることになりますが、その「128kbps制限」を体験している利用者は65%程度いる様ですので見過ごせません。
※『スマートフォンに関する意識調査』NTTコミュニケーションズ調べ
今回はそんな方のなかでもデータ容量の追加購入せずに月末を乗り切る利用者を考慮して、
「128kbps制限でもストレスの少ないWebページ」
を考えてみました。
■回線速度の変遷リスト
まずは、通信の歴史、
固定電話回線と携帯電話回線の変遷をリストにしました↓
<固定電話回線>
■電話回線(アナログ回線)1990年代 ※銅線
28.8kbps
■ISDN回線(デジタル回線) ※銅線
64kbps/128kbps(2チャンネル時)
■ADSL回線 ※銅線
512kbps/47Mbps
■光回線 ※光ファイバーケーブル
100Mbps前後
<携帯電話回線>
■3G回線
2Mbps程度(実行速度)(規格上数Mbps/14Mbps)
■4G回線
15Mbps(15,000kbps)程度(実行速度)(規格上150Mbpsや225Mbps)
速度制限を超えると通信速度が最大128kbpsに制限
※記載の速度実数値は参考程度となりますのでご了承ください。
上のリストは1990年代から「通信」を経験してきた年代には懐かしく、若年層には見慣れない項目が多いと思われますが、
制限状態にある「128kbps」という通信スピードがいかに遅い回線状態だったか理解いただけるのではないでしょうか。
■128kbpsでできること
それでは速度制限を逆手にとって、
制限中もストレスなくサービスを利用出来ないかと考え、
分析を進めてみます。
まずは過去のFP時代のページ総容量レギュレーションを確認してみると…
・1ページあたりの容量は100kバイト以内(※概ねの指標)
とありますので
128kbps制限下でも、容量数字上は2秒もあれば表示されます。
FP(フィーチャーフォン)向け程度のページ情報を表示する分には十分なスピードです。
■文字中心のページ製作へ
テキストは1文字につき、
・半角英文は、1バイト
・全角が必要な日本語は、2バイト(アジア地域などは「2バイト圏」と呼ばれます)
容量を使います。
単純計算すると、
128kバイトであれば、タグやスタイル、JavaScriptを含めて、
128,000文字の文章が書けます。
ブログ記事は2,000文字(4kバイト)程度が多いので、テキスト本文だけで考えると十分足りる計算です。
今回、
1秒程の読み込みを目指すのであれば、
タグや画像に、残りの124kバイト使用できます。
読み中心の静的ページであれば十分なのではないでしょうか。
さっそくサンプルページ作りを始めます。
■読み物中心のページを作る
画像を載せる場合は容量制限を設定し、
大きすぎず適切な減色による容量削減が必要です。
ポイントとしてこちらでしょうか。
・グラデーションは使わない
・PNG8形式(インデックスカラー)で保存
・CSSスプライトで画像を1ファイル化(アクション発生件数を減らす)
今回、この記事ページ自体をサンプルとして扱い、使用画像含め128kバイト以内で作りました。
本文テキスト部分の文字数は2,000文字程度です。
ページ内容のみの容量は25kバイト程度ですので、
通常の電波状況ではストレスなく表示が出来ると思われます。
■最後に
動画や画像中心のリッチなコンテンツページは、128kバイト以内では作れませんが、
制限下でも情報を問題なく表示できるページ作成は可能です。
ここまで詰め切る需要も少ないと思われますが。
FPのころの通信インフラにやさしいエコなサービス作りに挑戦するのも新鮮ではないでしょうか。
是非お試しください。
次回も情報設計に関係した話題をお届け致します。
デジマースのネモトでした。