実は似ている?UIと映画の没入感

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こんにちは!
今回のテーマは「実は似ている?UIと映画の没入感」です。

私は映画が好きなのですが、好きな理由の1つに「没入感」があります。
映画を見る中で、没入感を演出する為の考え方が映画とUI設計で似ているなと思ったのでまとめてみました。


UIと映画の没入感とは

没入感とは何かと言うと、「すっかり熱中して、その世界に入り込んでいるという感じ、浸っている・没入しているという感覚などを意味する語。(Weblio辞書)」です。
映画やゲームなどで、創造力と技術が織りなす映像や音楽、ワクワクするシナリオ、魅力的なデザインに夢中になった経験があるのではないでしょうか?その体験が没入感です。

映画などに集中する様を形容する場合に使われることが多いですが、UI/UXやVRの世界でも同じ意味で用いられている言葉です。
UI/UXに没入感?と思った方は、スマホアプリを見てみると想像しやすいかもしれません。
ゲーム系でもツール系でも、それぞれのアプリの目的に合ったUI/UX設計がされていると、ユーザーはストレスなくサービスを利用することが出来ます。
ユーザーが迷わないと言う事は、集中して目的を達成出来ると言うことですので、そのサービスに没入出来ていると考えられます。
これがUI/UXで使われている没入感です。


どこが似ているの?

UIと映画の没入感について、一体どこが似ているのかと言うお話ですが、ポイントは2つあります。

1つ目のポイントは、どちらもユーザー(観客)に体験を提供している点。そしてその体験がユーザーにとって良いモノであればこそ好まれる点にあります。
この良いユーザー体験こそが没入感へと繋がっていきます。

良いユーザー体験とはどのような事なのか、ザックリ言うと「ストレスなく目的を達成できた」と言うことです。
UIで言えば、分かりやすい動線、デザインを用いたUI設計を行う事で、ユーザーは何にも邪魔されることなく目的を達成する事が出来ます。
映画で言えば、整合性の取れたストーリーや適切な環境があって初めて、ユーザーは映画を見ると言う目的を達成する事が出来ます。

2つ目のポイントは、UIも映画も基本が大事だと言う事です。
1つ目のポイントとも関わってきますが、分かりやすさや見やすさなどそもそもの部分が出来ていなければ、ユーザーに混乱や不快感を感じさせてしまいます。
混乱や不快感はユーザーにストレスを与え集中力を削いでしまいますので、没入感からは程遠くなってしまいます。
その為、完成度を高めたり作り手の事情を盛り込む前に、基本が押さえられているかしっかり注意する必要があります。


ポイント1:ユーザー体験の良し悪し

UIと映画のユーザー体験について、もう少し掘り下げてみたいと思います。

UIの場合

サイトを訪れるユーザーは「アレが見たい」「コレが買いたい」と何か目的があってその場を訪れています。
例えばサイトを訪れてすぐのファーストビューで、目当ての物を見たり購入することが出来るようにします。すると、ユーザーは一切のストレスなく目的が達成できますので、良い体験が出来たことになります。
上記は極端な例ですが、UIはこう言った観点からサービスを構築する様々な要素や導線を考慮して設計を行います。

目的を達成する為に必要な工程など避けて通れない部分が最適化されていないと、それはユーザーにとって大きなストレスになります。これは離脱や継続率の低下に繋がってしまいます。
分かり辛いUIもそうですが、宣伝用のモーダルウィンドウや過剰な広告表示もその1つです。

映画の場合

映画を見に来た観客の目的は、そのまんまですが「映画が見たい」です。(特に、映画館に足を運んで見る人はこの思いが強い傾向があります。)
最後まで集中して映画を見ることが出来れば、それは良い体験が出来た事になります。
映画に集中する為には、辻褄のあったシナリオや役者の演技に違和感がないことなど映画の内容はもちろん、映画の見せ方などの環境も大きく影響します。

UIと同じく、「映画を見る」と言う目的を達成する上で避けて通れない部分が最適化されていないと、それはユーザーにとって大きなストレスになります。
よく話題になるのが、吹替え版やアニメ映画でプロの声優以外を起用してしまうケースです。これはユーザー体験を無視した作り手側の都合の押し付けなので非常に悪手です。
声優以外の他業種の人間が声を当てる場合、残念ながらほとんど棒読みか違和感のある演技になっています。
「声」も大事な映画の一部ですので、これが適切でないと強い苦痛を感じ、映画に集中出来なくなってしまいます。

また、映画館であれば一緒の空間で見る他の観客にも影響されますよね。
上映中に何度も喋る人、妙なタイミングで大声で笑う人、咀嚼音、椅子を蹴ってくる人、ひじ掛けの争奪戦。これらも没入感を阻害する大きな原因の1つです。
多くの映画館では上映前に最低限のマナーなど禁止事項をアナウンスしています。
完全に防ぐことは難しいですがある程度の抑止にはなりますので、没入感を演出する為の対策として大切な事です。


ポイント2:UIと映画の基本

UIにも映画にも、わかりやすさや見やすさなど表現の基本があります。

UIの場合

ユーザーが目的を達成する際に迷わないようにしてあげるのがUIの基本です。
優先度の高い要素から配置する、遷移する要素は明確にする、ユーザーが目的を達成する為に不要な要素は消したり隠したりするなど、様々な方法があります。
こうすることでサービスを訪れたユーザーは何をすれば自分の目的が達成できるのか直感的に理解する事が出来ます。
誰が見ても分かる、と言うのは難しいことなのですが、一般に浸透している表現であれば多くの人が理解して自然にアクションを起こせます。
ハンバーガーメニューなどがそうです。見た目だけでは正直何が出来るのか分かりませんが、周知されている形と意味なので迷わず使うことが出来ます。
独自の設定やアクションを組み込んでしまうと、ユーザーが混乱してしまう可能性がありデメリットになってしまいます。

映画の場合

映画の基本ですが、映画作品としての完成度とは少し違うお話になります。私が気になったのは字幕の表現です。
映画の字幕と聞くと、多くの人が映像の下部に白色で小さく表示されている文字を想像すると思います。これが一般に周知されている字幕の基本です。
地名の説明や異なる言語を表現する際に左右に表示される場合もありますが、通常セリフは一貫して下部に表示されます。
海外のあるミュージカル映画を見ていた時、歌うシーンで字幕が上部に表示されたことがありました。しかも一貫性がなく、画面の上下でランダムに表示されたので非常に見辛かったです。
歌うシーンの演出としてそのアクションになっていたようで、これは良くないケースかと思います。
UIと同じく、独自のアクションを組み込んだ為に観客が混乱し、映画に集中出来なくなってしまいました。

オリジナリティも大事ですが、まずは基本を押さえることでユーザー(観客)の没入感に繋がります。


おわりに

いかがでしたでしょうか?
UIと映画と言う異なる分野でしたが、没入感と言う観点から見ると意外と似ているのではないでしょうか?
改めて考えてみると、ユーザーの目的をストレスなく達成させる為には基礎が大事である、と言う共通点がある事が分かりました。
作り手側の都合で完成度を高めるのではなく、ユーザーの目的に沿った作り込みを行うことで没入感を感じてもらう事が出来ます。
良いサービス作りを行う為に、ぜひ意識してみて下さいね。

それではまた!デジマースのコンでした。

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