スマホ画面サイズユーザビリティ

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今回はモバイル端末を中心に、「画面サイズ/画素密度と目の距離に関係するユーザビリティと満足度」を考えてみます。

画面サイズと画素密度の相対関係を考えると非常に奥が深く楽しそうなので、まずは個人的に思い入れがある端末でスペック表を作ってみました↓


主要画面表示機器スペック表

スマホ 画面サイズ / ppi リスト

iPhone 3G
3.5 インチ 320× 480  HVGA 163ppi

iPhone 3GS
3.5 インチ 320× 480  HVGA 163ppi

iPhone 4
3.5 インチ 640× 960  Retina 326ppi

SO-01B
4.0 インチ 480× 854  FWVGA 254ppi

IS03
3.5 インチ 640× 960  WVGA 330ppi

iPhone 4S
3.5 インチ 640× 960  Retina  326ppi

iPhone 5
4.0 インチ 640×1136 Retina  326ppi

iPhone 5S
4.0 インチ 640×1136 Retina  326ppi

iPhone 6
4.7インチ  750×1334 RetinaHD 326ppi

iPhone 6plus
5.5 インチ 1080×1920  FHD 401ppi

iPhone 7
4.7インチ  750×1334 RetinaHD 326ppi

iPhone 7plus
5.5 インチ 1080×1920  FHD 401ppi

iPhone 8
4.7インチ  750×1334 RetinaHD 326ppi

iPhone 8plus
5.5 インチ 1080×1920  FHD 401ppi

iPhone X
5.8インチ 1125×2436 SuperRetinaHD 458ppi


ガラケー 画面サイズ / ppi リスト

W11H
2.2 インチ 240× 320  QVGA 182ppi

W52SA
2.8 インチ 240× 400 WQVGA 167ppi

W54SA
3.0 インチ 480× 800 WVGA 311ppi

MARVERA KYY08
3.2 インチ 480× 854 FWVGA 306ppi


ガラホ 画面サイズ / ppi リスト

MARVERA KYF35
3.4 インチ 480× 854 FWVGA 288ppi


携帯ゲーム機 画面サイズ / ppi リスト

Nintendo DSi LL (上画面)
4.20インチ 256× 192      76ppi

Nintendo 3DS (上画面)
3.53インチ 400× 240 WQVGA 132ppi

Nintendo 3DS LL (上画面)
4.88インチ 400× 240 WQVGA 96ppi

Nintendo Swich(携帯モード)
6.20インチ 1280× 720  HD 237ppi


モニター 画面サイズ / ppi リスト

モニター/デスクトップ
24.0 インチ 1920×1080 FHD  92ppi

MacBook Pro
15.4 インチ 2880×1800 Retina 221ppi


TV画面 サイズ / ppi リスト

ブラウン管TV
29.0 インチ  640× 480  SD  28ppi

ハイビジョンブラウン管TV
32.0 インチ 1280 × 720  HD  46ppi

フルHDTV
50.0 インチ 1920×1080 FHD/2K 44ppi

4K TV
60.0 インチ 3840×2160  4K  73ppi

8K TV
60.0 インチ 7680×4320  8K  147ppi


大きさと密度の移り変わり

2001年から3G携帯電話(フィーチャーフォン)がサービス開始されましたが、その当時の画面サイズは下記でした。

--------QVGA端末--------
・240×320 pixel (QVGA解像度)
・2.2インチ
・画像密度は182ppi
---------------------
※ppi (pixels per inch)
1インチ当たりの画素数
数値が大きいほど高精細


現在の端末と比較すると、
四角い大きな画素(ドット)がハッキリと認識できるもので、
いわゆる「8ビット的」な画質制約の中でサービスやその広告バナーを作っていました。

WEBページの容量制限(Web1ページ100KBまで等)もあり、質素倹約の時代だったのです。

その後は画面の高精細化と大型化が進み、「VGA解像度の端末」(QVGAの倍の解像度もつ端末)が登場することで、フィーチャーフォンは成熟期を向かえます。

-------- VGA端末 --------
・480×800 pixel (WVGA解像度)
・3.0インチ
・画像密度は311ppi
---------------------

そして、新しい市場/エクスペリエンスに向けて登場したのがスマートフォンです。

日本ではiPhoneやAndroid端末を発売開始した2010年あたりからスマートフォンの普及が始まりましたが、
大型化した画面と高細化した解像度を十分に処理できるスピードとOSの環境が整うまで時間がかかり、
特にAndroid初期端末の「モッサリ感」は苦い記憶として残っている方も多いのではないでしょうか。

-------- iPhone 6 --------
・750×1334 pixel (Retina HD)
・4.7インチ
・画像密度は326ppi
---------------------


最適視聴距離による体験

それでは本題である「画面サイズ/画素密度と目の距離に関係するユーザビリティと満足度」について「ブラウン管式の家庭用TV」の時代まで戻ってから考えてみます。

過去のブラウン管TVの場合、画面の高さの「5~7倍」離れて視聴する状態が「最適視聴距離」とされてきました。
「最適視聴距離」とは「1ドットを構成するRGB画素」が距離をとることで程よくぼやけ、溶け込み、画面全体が「綺麗な一枚絵」として視聴できる距離とされています。


液晶TV/ハイビジョンTVの場合は(共にフルHDレベルの条件)、ブラウン管(SD)と比較して高精細になった為、画面の高さの「3~4倍」の離れた距離で十分な絵が視聴出来るようになりました。


----最適視聴距離の基準設定要素----
・16:9のアスペクト比
・視野角33度
・視力1.0での走査線識別が出来ない距離
※ハイビジョンTV走査線数(1125本)
---------------------

過去のTVと比較して、液晶TVの画素密度(ppi)は「4K化」「8K化」など高精細化が進んでおります。
家庭環境において意識して見入る映画や鑑賞コンテンツについては、
視野角を踏まえたうえで今後も視聴距離が近くなっていく可能性があります。

それでは、そのTVよりも高精細な画素密度を持つスマートフォンの「最適視聴距離」はどうでしょうか。


スマホの最適視聴距離?

まず、スマートフォンについては「最適視聴距離」の概念は適切ではないと考えます。

理由として、手に持って使用するスマートフォンはTVなどの機器とは利用環境がそもそも異なり、目と端末の距離は常に意識せず一定に保たれています。
距離の違いは身体特徴のほか、近視、遠視、老眼など視力の個人差により出てきます。

目に負担の少ない利用距離の確認方法としては、今回詳しく紹介は行いませんが「ハーモン距離」と言われる距離測定の考え方もあります。

「画面の大きさ」「画素密度」の違いはユーザビリティと体験に大きな影響を与えます。
年齢によってはスマートフォンを使うこと自体が負担となり使いにくい場合もありますので、
自身の環境に適した使いやすい機器を選んでいくことが大切です。


年齢による距離の違い

下の表を見る限り、
「20歳」と「30歳」「45歳」の裸眼状態では文字を読める最適な距離がまず違うことが確認できます。


注目する部分は、「20歳」と「45歳」では距離の開きが3倍近い点です。
既に「45歳」の裸眼状態では、ピントが合わず「近く」が見えにくい為、
腕を伸ばし頭を引くといった、若年利用者とは異なる厳しい使用環境が待ち受けています。

素直に老眼鏡を受け入れる割合も少ないことから、
サービス設計する側は、利用者の大半をも占める興味深いこのターゲット層も踏まえてガイドラインを策定して、適切なサービス設計を行なうと良いのではないでしょうか。


最後に

モバイル端末の普及により目の疲労に拍車をかけているこの現代だからこそ、普段のデスクワークで使用するPCモニターの適切な配置が必要です。
幅広い利用者に向けてユーザビリティを考えていくのであれば、なお大切な心掛けなのではないでしょうか。

それでは次回も、サービスUX設計に関係した話題をします。
以上、デザインに関わっているデジマースのネモトでした。

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