アイコンデザイン ―おまけ編―

こんにちは。デザイン業務に関わっております、コンドウです。

みなさん、バレンタインはどうお過ごしでしたか?楽しく過ごせましたでしょうか。
普段買わないちょっと良いチョコや、独創的なチョコを見るのが楽しくて、お店の特設コーナーを見かける度につい立ち寄ってしまいました。

さて、今回のテーマですが、「アイコンデザイン ―おまけ編―」です。
前回私が作成した記事、「アイコンデザイン ―基礎編―」の“おまけ”になっています。そのままです!
アイコンについての考え方など、少しだけ踏み込んだ内容をまとめてみました。

アイコンについて意見が割れてしまった時、そもそもどうして意見が割れてしまうのかな?と悩んでしまった時の1つの気付きにしてもらえると嬉しいです。
私の主観によるところも大きいので、そんな考えもあるのかぁ…と言う参考程度に読んでください。


アイコンの良し悪しは見た人による

アイコンとは、ユーザーや見た人の目的が達成できる、何を表しているのか意味が理解できる物が良いとされています。
確かにそうなのですが、これは見る人それぞれの経験、価値観で差異が生じるものでもあります。

以下では、経験と価値観について事例なども交えながら考えてみたいと思います。


アイコンと経験

経験の例で言うと、「ハンバーガーアイコン」です。
多くのスマホサービスで導入されていて、そのほとんどの場合でタップするとメニューや設定などが一覧で表示されます。
スマホを使い慣れた人にとっては馴染みのあるアイコンですね。アプリを使用していて「あれ?あの機能はどこかな…」と迷ったら、とりあえずハンバーガーアイコンの中を探してみると言う人も多いのではないでしょうか。

一見わかりやすいように思えます。ですが、これはアイコンの形自体が特別に優れている訳ではなく、見る人それぞれの経験に基づいているに過ぎません。
ハンバーガーアイコンは広く普及している為、スマホを触っていれば見る機会は多いです。その為、スマホを積極的に使う人には「ハンバーガーアイコンをタップするとメニューが出てくる」と言う経験がインプットされています。
ですが、初めてこのアイコンを見た時、何を意味しているかすぐにわかった方は少ないのではないでしょうか。経験を重ねることで学習し、今では当たり前の事として捉えられるようになったのです。

スマホに慣れていない人だとハンバーガーアイコンを目にする機会が少ないか、そもそも意識すらしたことがない状態になってしまいます。
経験がない人にとってこの3本線は、それがメニューで、中にどんな機能が隠されているか想像できません。
その為、何か迷いが発生した時の目印が1つもないような状態になってしまうので、咄嗟にどうしたらいいかわからず誰かに訊くか、結局諦めてしまう…なんてことが発生します。

ハンバーガーアイコンに関しては様々な議論が成され、広く普及しているにも関わらず、分かりづらいアイコンだとまで言われている事例もあります。
分かりづらいとされる要因としては、「何の情報があるか想像できない」「優先度の高い情報と低い情報が詰め込まれてゴチャゴチャしている」などがあります。

こんな時は、テキストラベルをつけると問題が緩和されます。アイコンの下に「メニュー」と入れてあげるだけで、3本線だけでは想像できなかった部分を補うことが出来ます。
アイコンの意味を全く知らない人が見ても、メニューと書いてあれば何か情報がまとまっているかも?と言う気づきにしてあげることが出来ます。

余談ですが、私の祖父が最近ガラケーからスマホに買い換えました。経験が一切蓄積されていない状態ですので、もちろんハンバーガーアイコンの意味はまったくわからず…。
設定やヘルプを開きたい時は3本線(ハンバーガーアイコン)をタップすれば良いんだよ、と言うような説明を何回もしました。アイコンの形だけだと機能を想像しづらい為、なかなか覚えられないようでした。
ですが、カメラアイコンはすぐに意味を理解して使いこなしていたので、これは形が明確で馴染のある形だからなんだろうなぁと改めて勉強になりました。


アイコンと価値観

価値観の例で言うと、「お気に入りアイコン」です。
「お気に入りアイコン」の形と言うと、どのような形を思い浮かべますか?星マークやハートマ―クを思い浮かべる人も多いかもしれません。
私が「お気に入りアイコン」に価値観の違いが顕著に表れていると感じたのは、Twitterがお気に入り機能の変更を行った際です。

Twitterには元々、星マークの「お気に入りアイコン」がありました。気に入ったつぶやきがあればお気に入り登録して、プロフィール画面でまとめて見ることが出来る機能です。
それが2015年の11月に、ハートマークの「いいねアイコン」に変更されました。見た目と名前が変わっただけで、機能はお気に入りアイコンだった時と変わりません。
Twitterとしては、より気軽にコミュニケーションツールとして利用してもらいたい狙いがありました。
ツイートしても何も反応が返ってこない事で、意味を見いだせずつまらなくてやめてしまう人が多かった為、利用者同士の交流をより活発にすることで、新規ユーザー獲得や継続率を改善したいと考えていました。

ですが、この変更によりTwitter利用者の意見が分かれました。「元に戻してほしい」「お気に入りといいねは意味が全然違う」など批判的な意見が多かったです。

何故批判的な意見が多かったのか考えてみると、制作者側と利用者の価値観の違いでした。
批判的な利用者の多くは、自分のツイートに反応が返ってくることにそもそも価値を見出していない、ただ呟ける場所が欲しい人。あるいはお気に入りはしたけどその相手とのコミュニケーションを望んでいないなど、そういった価値観を持っている人も多くいました。
その為、コミュニケーションを活性化させる為の「いいね」に対して、ひっそりお気に入りして楽しんでいた人からすると、「お気に入り」より強い意思表示になる、相手へのアピールになってしまうと感じ、嫌だと思う人が多かったのではないでしょうか。

このように、利用者を増やしたい製作者側としては複雑ですが、価値観によっては利用者の目的には沿わず、結局良いアイコンとは言えなくなってしまう場合もあります。
私も未だにお気に入りに戻してくれたらなぁと思う事があります。

コミュニケーションの活性化だけで見れば、「いいね」自体はよい機能なんですが…。
Twitterの場合、変更前と変更後で意味が変わってしまったので、より受け入れ難かったとも言えます。


おわりに

いかがでしたでしょうか?

アイコンの良し悪しは、その人の経験や価値観によって左右されてしまう場面もあります。
そのことを前提に置いて、その影響をなるべく受けないようなデザインを考える必要があります。
考えると言うのはまったく新しい表現を模索すると言う意味ではなく、多くの人に認知され理解してもらえる物を考えると言う事です。

繰り返しにはなりますが、「初めてこのアイコンを見たユーザーは、意味を理解してアクションを起こせるだろうか?」と言う問題提起を常に忘れないようにしましょう。

それではまた!デジマースのコンドウでした。

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